駄菓子文学館「カバヤキャラメルとカバヤ文庫」

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駄菓子文学館

作者:※お名前文字化け(愛知県名古屋市)

今から60年ほど前のことですが、私の母親は駄菓子屋を営んでいました。
当時は駄菓子と共に景品で売る商品も多くありましたが、特にカバヤ製菓のキャラメルはキャラメルが小箱に入っていますが、その中のカードが揃うと、カバヤ文庫から10冊の文庫本がゲットできるのでした。しかし、普通は絶対出ない仕組みになっていたのです。
それは明道町で仕入れた後、箱を開けると付箋がついたキャラメルがありました。付箋にはこれは当たり券ですから適当に混ぜて販売して下さいと書いてありました。
ある日私は母親に頼み当たり券を譲って欲しいと頼んだのです。母は店の信用に関わるからと許可してくれませんでした。
しかし、それから数カ月後に私にプレゼントしてくれたのです。私はカードが揃い喜び勇んでカバヤ製菓に送りました。数日後、夢にまで見た文庫本10冊が届けられました。
私が数冊読み終えた後に、何と伊勢湾台風でわが家は壊滅的な被害を被ったのです。
浸水時には、菓子を入れた瓶がプカプカ浮かんでいたのが今でも脳裏を過ります。
もしかして、この件は企業秘密かも知れませんが、万一差しさわりがありましたらご容赦
ください。

COMMENT
関連記事ですが、私は3児の父親時代に近所の駄菓子屋に子供たちを連れて行きました。その時のことですが、おもちゃなど籤で当てる商品がありました。そこで、私は次々と上位の景品をゲットしたのです。理由は、よく見ると外れ券と当たり券の印刷が異なり、当たりと書いた券は濃く、外れと書かれている券は薄かったのでした。今から30年も前の話ですが、当時の印刷技術は大雑把だったようです。
話は変わりますが、私は現在「伝承遊び」を広めています。そのため各地の駄菓子屋で集めたおもちゃ類を近くの小学校で紹介し遊び方を広めています。併せて、仲間達にもコンペイトーやマコロンなどの駄菓子を買って昔話をしています。
先般、店を閉められた覚王山の児島屋さんにも何度も足を運びました。
これからも昭和の時代を懐かしむと共に駄菓子を味わいたいと思っています。

【第7回駄菓子文学賞 選外作品 2014年4月】

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