駄菓子文学館「遠足の楽しみを2倍にしてくれた駄菓子たち」

駄菓子文学館

作者:HYさん(愛知県)

小学生時代の遠足の、楽しみはやっぱりお菓子だった。確か、500円が上限金額だったと思う。遠足の日が近づくと、みんなこぞって近所の駄菓子屋さんへ。
その店は、腰の曲がった、小柄で穏やかなおばあちゃんがやっていた。
私たちは、少しでも種類と数を多く買おうと、小さな手をつかって足し算、引き算。だから、1時間はあっという間だった。魔法のように時が過ぎる。
それでも、お店のおばあちゃんはとってもとっても優しくて、私たちがお菓子を選びきるまで、ゆったりと待っていてくれた。
じっくりお菓子を選んだら、おばあちゃんに、どさどさ渡す。
そこでもう一つ、魔法が優しくやってくる。「よおし、20円分おまけだ。好きなのを選んどいで」。
こうして私たちは、また、魔法の時間に入るのだ。
子どもだってお買い物、それに大人だって、子ども時代の心になれる。
時間の壁をつるりと超える、これが駄菓子屋さんの魅力だ。

COMMENT
小学校時代、遠足前に友人たちと、近所の駄菓子屋さんに行くのが楽しみでした。その店は今、移転していて違う場所にあります。それでも、移転先のその店や、以前に店があった場所、それから駄菓子を見たときは、その頃を思い出し、なんだか懐かし
いような、悲しいような気持になります。

【第7回駄菓子文学賞 選外作品 2014年4月】

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